旧コラム

第9回DREAM CUP 結果報告

7月28・29日、静岡県・裾野市運動公園野球場(裾野球場)、トヨタ東富士両球場で開催された『第9回DREAM CUP』に出場しました。我が東京ブルーサンダースは、「大会3連覇」をチームの使命とし、これまでの練習では敢えてそれを口に出して意識を高めて取り組みましたが、今回は準決勝戦で敗れ、第3位という成績で大会を終えました。以下、その戦いぶりを報告します。

 

 

今年の “ドリームボーイ” は・・・?


公式戦初先発の“プレゼント”に無失点で応えた30歳の河井投手!

公式戦初先発の“プレゼント”に無失点で応えた
30歳の河井投手!

 


大会初日。開会式で「ドリームカップ」を返還し、新たに頂いたレプリカトロフィーのガラスのずしっとくる重さを各選手がかみ締め、初戦会場のトヨタ球場へ移動しました。相手は栃木エンジェルス。多くの新人選手が加入し戦力がアップしており、侮れないと懸念しておりましたが、初回は思わぬ苦戦を強いられてしまいました。先発のマウンドには河井。昨年の大会交流戦、チームに勢いをもたらす“ドリームピッチング”で投手デビューを果たしましたが、1年を経て本戦初戦の先発を任されました。立ち上がり、緊張感からかストライクが取れず、ランナーを背負い苦しみましたが、ワンナウトを取って落ち着きを取り戻しピンチを凌ぎました。マウンド上の河井にベンチからは「誕生日を飾れ!」「バースデーバースデー!!」の声が飛んでましたが、河井の緊張ぶりはそのせい?!記念に残る30歳のマウンドでの無失点投球でした。おめでとうございました★



“マルチ安打”の上島は守備でもセカンドゴロを捌き攻守にハッスル!

“マルチ安打”の上島は守備でもセカンドゴロを捌き攻守にハッスル!

 


初回裏の攻撃も思わぬ展開に…先頭のキャプテン石垣が、栃木先発投手の丁寧な投球に、フルカウントから三振に倒れてしまいました…戸惑うムードが漂う中“2番セカンド・ウエシマ君”のアナウンス。打者は読み間違えられた怒りのパワーを乗せた打球を1・2塁間に放ち、ここから打線が点火しました。4点を先制した後の2回の打席のアナウンスでも変わらず、怒りのパワーが増した打球が今度はライナー性でライト前に!コールド勝利につなげる一打でチームを乗せる2安打。“今年のドリームボーイ・上島(かみしま)”は大会優秀選手賞を獲得しました。結果が出るなら、監督やチームとしては“ウエシマ君”にあやかりたい♪その後に行われたアフリカチームとの交流戦にも勝利し初日を終えましたが、林監督の「打って捕って走ってミスって転んで…」の喜怒哀楽満載の全力プレイの気迫が、アフリカチームに勝(まさ)って勝利を呼び込みました。

 

 

緊迫の勝負

「動きひとつひとつに気持ちを出せ!」

翌日大会2日目の朝・名古屋ビクトリーとの決戦を控えたウォームアップ終了後の裾野球場ベンチ。アップの状態を見た林監督からの強い口調での指示とゲキです。交流戦で気迫を見せた監督。そのモードを交流戦から、優勝を目指す戦いへ切り替えての、熱く厳しい言葉でした。ケガのため、今大会はベンチワークに回って戦う日暮からの入念なメッセージも受けて、決戦に飛び出したメンバー。息詰まる攻防に挑みました。



副キャプテン大沼がチームのテンションを高め、内野陣を引き締めた。

副キャプテン大沼がチームのテンションを高め、内野陣を引き締めた。

 


昨年の大会・名古屋戦でノーヒットノーランを演じた田中は快投再び、今回も球が走ります。バックもリズム良く守ります。中でも目を引いたのは今季から副主将に就いたセカンド大沼。素早い判断を伴うファーストベースカバーをいくつも巧く捌いて田中や野手陣を盛り立て、副将として円陣中央に立つのも板についてきました!



1点を争う攻防に注がれる それぞれからの視線

1点を争う攻防に注がれる それぞれからの視線

 


しかし、守りのリズムを攻撃になかなか結び付けることが出来ませんでした。春の全国大会・神戸コスモス戦のピッチングで自信をつけたという、名古屋先発・飼沼投手の自信を持った変化球主体のピッチングを、チームとして崩し切れませんでした。この辺りが今後の課題でしょうか?1点を追う6回表・主砲小峰が巧くライト前にライナーで弾き返して追い付きましたが、その裏、名古屋の4番中西選手が田中の渾身の直球を打ち返して勝負を決めました。両チーム4番打者の競演となり、守りも引き締まった好ゲーム。決勝戦では福島アクロスを破って優勝した名古屋ビクトリーでしたが、我がチームに勝利した後のベンチでの大きな雄たけびを聞いていると、いかにこの「東京戦」に賭けていたのかということを実感せざるを得ませんでした。



同点打の小峰(5)生還の石垣(10)がブルサンベンチに一体感をもたらす。

同点打の小峰(5)生還の石垣(10)が
ブルサンベンチに一体感をもたらす。

 


試合後の挨拶で秋の選手権での再戦を約束しました。その約束を果たすべく、この試合で得られた課題に取り組み、大会3連覇を逃してしまった悔しさも糧にして、9月22日から、埼玉県熊谷市で開催される関東甲信越大会に向けて、8月からの練習に励みます。

最後に、東京より遠方ご支援ご声援頂いた方々に対して、厚く御礼申し上げます。このDREAM CUP大会は、主催の中部東海地区身体障害者野球連盟、静岡ドリームス以下、たくさんの運営スタッフの方々のご尽力で開催されています。深く感謝いたします。そして、『市川ドリームスター』の選手の皆さんが、今回は運営スタッフとしてご活躍頂きました。ありがとうございました。陰の最優秀選手の皆さんです。今後、この大会での対戦が実現することを願っております。

記:山形重人



渾身の力投を糧に

渾身の力投を糧に

 


試合結果成績

1日目 7/28 1回戦 ○15-0 栃木エンジェルス

          交流戦 ○11-7 アフリカオールスターズ

2日目 7/29 準決勝 ● 1-2 名古屋ビクトリー