2014悲願の日本一へ! ご挨拶と全日本選手権報告
2014年・春からの新たなシーズンにおかれましても、我が東京ブルーサンダースへの、皆さまからの引き続いての変わらぬ温かなご支援ご声援、そして時にはチームへの叱咤激励を、よろしくお願いいたします。
チーム広報担当者の諸事情により更新が遅れてしまったことについて、深くお詫びいたします。2014年シーズンは、悲願の日本一へ向けて取り組むシーズンになります。ここで改めまして、13年ぶりに決勝に進出し、準優勝することができました、昨年11月2日・3日に兵庫県立但馬ドームで開催された「第15回全日本身体障害者野球選手権大会」を振り返り、ご報告いたします。
<開会式>
「もう、入れ代わって新たに加わった選手も多くなったから、前代表のことを知らない選手も多いと思うけれど、大場さんがチームを創設して下さって今プレイできることに感謝し、選手みんなが、いま野球が出来ることを感謝すべき相手がそれぞれにいると思うから、その人たちへの思いも込めて戦っていこう!」
2009年シーズンから使用するユニフォームが、初めて但馬ドームのフィールドに登場しました。その左袖の部分に黒い喪章を付けた選手たちを前に、林監督から訓示がありました。昨年の9月、チーム創設者で前代表の大場(旧姓:山泉)邦雄氏が亡くなりました。かつては、この但馬ドームでも一緒に戦った前代表。当時からユニフォームは変わりましたが、ご冥福をお祈りしつつ、チームの一人ひとりが期するものを持っての出場となりました。
全日本選手権の開催地・但馬ドームにとっても、補強工事を経ての2年ぶりの大会開催。地元小学生の皆さんによるマーチングバンドによる選手先導・幼稚園児の皆さんによる和太鼓演奏など、但馬ならではの心温まる開会式が進行する中、主催者による挨拶の中で『2014年・第3回世界大会を但馬ドームで開催する。そして今大会を日本代表チーム選手選考会として位置付ける』ことが発表され、出場選手達から緊張感とモチベーションがグッと高まったこともあり、開会式が一気に引き締まった空気に包まれました。そんな中での我がブルサンはというと…
「オイ!ちゃんと真っすぐ並べよ!!シーズンのキャプテンからの目標は“普段の行動から試合につなげるためにキッチリした姿勢でいること”だぞ!」「今回はキレイに行進出来たぞ!」
このあと初戦で対戦する北上リリーズの皆さんが隣の列におり、思わずクスッと笑っていらっしゃった様でしたが、こんな調子で試合の方は大丈夫だったのでしょうか?確かに、昨シーズン初頭にキャプテンを中心に決めたチーム目標はそうでしたが…
<1回戦>
春の全国大会に続いて、もう一度決勝の舞台に立つことを目指して秋の選手権に乗り込みましたが、秋は全国各地区を勝ち抜いたチームが相手になります。初戦の相手岩手北上リリーズは、北海道東北地区のチャンピオン。千葉直希選手や白藤選手・日本代表として世界大会でホームランを放った選手を中心とした豪打のチームで、強敵です。恐れていたとおり、初回の攻撃からサード石垣へ強烈な打球が次々と襲い、立ち上がりに1点の先制を許してしまいます。5年ぶりとはいえ初めての試合となる選手も多い中、但馬ドームへの戸惑いから徐々に慣れてきた野手陣がペースに乗り、先発の田中もマウンドの感覚をつかみつつ、変化球と直球を織り交ぜて立ち直りました。そして3回に反撃開始!相手守備の乱れやヒットで作ったチャンスから、日暮がまさに火の出るような二遊間を速い打球で破る逆転タイムリーを放ちました。
「孝一が乗り移った〜!」
と打った日暮もベンチで驚きのコメント。一日目欠席の大森が日暮に託した思いと『絶対勝って待ってろ!』のゲキ!グランドの選手・ベンチの選手・そして大会に向かう選手がブルサン打線を呼び覚ましました。この回4点を奪ったブルサン。5回には宮本がレフトへダメ押しの一発。宇都宮でのサヨナラ打の機運を、そのまま運んでくれました。リリーズの最終回の反撃を抑えて5-3で勝利。最高の形で大森を迎えることの出来る勝利のカタチとなりました。
かつて決勝に進出した2001年大会以来の、何と13年ぶりとなる選手権本戦での勝利。観衆の方々からの拍手を頂き意気揚々と引き揚げるブルサンナインに、ひときわ大きくて甲高い祝福の声が…
「トモヒコ〜〜! オメデト〜〜!!」
その声の主は、準決勝の相手となる広島アローズの主力・渡辺選手でした。春の大会に続く準決勝での再戦を喜び合う両選手。ただ、春の対戦との大きな違いは、真っ向からブルサン打線に投げ込んできた“トモヒコ”こと香野投手が、ユニフォームを着替えていることです。3度目の対戦に「東京⇒広島⇒東京」とそれぞれ異なる状況での出場。心中期する思いを推しはかります。
<2回戦>
翌日に行われた準決勝・広島アローズ戦。我がブルサンの先発マウンドに香野が帰ってきました。ゆっくりマウンドを慣らし、ゆったりした足腰を効かせて投げ込みます。久々の姿、柱となる投手のチームへの復帰を、バックもベンチも頼もしく見つめつつ試合に挑みました。ただ、少し前までのチームメートを相手にする香野。意識するなと言うのはさすがに難しいかと思います。立ち上がりからランナーを許しますが、ギアを上げて得点は許さず切り抜けます。そして翌2回の攻撃。今度は左打席からアローズの選手たちへメッセージを発するかのように、引っ張った香野の打球がライト後方へ。このホームランで打線が点火し、3回にはもう止まらない宮本がレフト線へ、続く大森が左中間深く、恐るべき40代選手のパワーで連続HR。リードを拡げます。
自分が打って気分を高めた香野。毎回ピンチが続きつつもアローズの壁となって4回を無失点で投げ切ります。そしてこの試合へのスローガン“河井を全国のマウンドへ立たせよう!”が、遂に実現しました。障害者野球で初めて本格的にピッチャーに取り組んだ河井。練習試合やカップ大会の登板で次々に結果を出し、遂につかんだ全日本選手権のマウンド。終盤の相手に流れを与えかねない状況にも点を与えずに投げ切り、ムードは最高潮となりました。河井が招いた流れから6回には小峰のタイムリーで追加点、最後のマウンドは大森が圧倒し6-0で快勝。試合後は香野を中心に握手の輪が広がり、お互い再戦を約束しました。
<決勝戦・そして新たなシーズンへ>
“もう一度コスモスと全国の決勝で勝負しよう!”
昨シーズンはこの言葉を合言葉にして、春の全国大会の決勝で敗れた直後から厳しい練習を積み、公式戦でいちども敗れることなく、この秋の選手権大会でもブルサンらしい勢いの出る勝ち方で、まさに合言葉を実現し、日本一をかけて再び神戸コスモスとの勝負に挑みました。先攻のブルサンが初回、果敢に打って出ましたがランナーを出すことが出来ずに無得点で終わりました。一方のコスモスは、春と秋すべての全国大会決勝戦を戦っているチームです。その戦い方をチームとして熟知している感がありました。初回を抑えて自分たちに来た流れを逃さずに試合の主導権を握り、得点を重ねました。ブルサンは最後まで流れを呼び込めずに押し切られて敗れてしまいましたが、『全国の決勝戦で常に戦っていけるチームを創るためにどう取り組むか?』という、新たなテーマ、そしてステップにつながる課題を手にすることが出来た試合となりました。春と秋、手にしたふたつの銀メダルが今季のチームのモチベーションとなります。
課題に取り組み、今シーズンは金メダルを取りに行きます!
試合結果戦績
1日目 2013年11月2日 1回戦 ○ 5-3 岩手北上リリーズ
2日目 2013年11月3日 準決勝 ○ 6-0 広島アローズ
決勝戦 ● 0-10 神戸コスモス
<林監督・新シーズンに向けて>
昨季の全国大会続けての準優勝の反動として、今季の春全国大会の早期敗退や、関東甲信越大会敗退といった結果を招くような状態に陥る前の段階で、たとえ思うように進まないチーム状況下であっても、「気持ち」をいかに維持持続できるかということが大切。
豊富な投手陣で、いかに実戦的な打撃練習をするかが重要。守備練習もしっかりするにはフルメンバーで練習に参加してもらいたい。強豪チームから1点をもぎとる気迫と、ランナーを背負っても、その状況で無失点或いは最少失点に食い止める辛抱強さを身に着けてレベルアップしていきたい。
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