“あと1歩“その先へ-Remember関東甲信越大会
届かなかった、あと1歩を極めるまで・・・
2014シーズンの全日本選手権で我が東京ブルーサンダースが、あと1歩まで迫った日本一の座。もう一度チャレンジするために1年間練習を積み重ねて挑んだ関東甲信越大会でした。
去る9月19日、長野県佐久市・臼田総合運動公園グランドにおいて実施されました 『ゼット杯争奪・第21回関東甲信越身体障害者野球大会 』 今大会は開会式後の第1試合から1点を争う接戦が続き、大会全体の目覚ましいレベルアップが感じられました。ブルーサンダースは決勝戦、大接戦の末群馬アトムに 「2-3×」のサヨナラゲームでの敗戦により、準優勝の結果となりました。2015シーズンは“あと1歩届かなかった選手権の舞台”非常に悔しい敗戦とはなりましたが、この試合の直後から、ブルサンメンバーはゲームについて分析し、意見や思いを出し合い、意識を共有しながら大会後の練習に取り組み、主に実戦練習を積み重ねながら、再び全国制覇を目指す2016シーズンに備えています。
攻守の要が帰ってきた!
痩せた…? いやいや、スリムにカッコよく、今まで以上にアスリートらしくなって帰ってきた!2014シーズンは疾患のため休養療養にあたっていた、攻守の要・小峰がこの大会から戦列に戻ってきました。グランドに戻る自分自身を信じて、自分の身体と心に向き合う時間を積み重ねて、再びユニフォームに袖を通し、ミットを手にして共にグランドに立つその姿に、メンバーは勇気を与えられ、士気も一気に高まりました。「久しぶりに一緒にウォームアップしようか?」初戦先発の大森に促され、高まる感情とともにミットを構えた様子でしたが、ぶれることもなく姿勢も決まってすぐに感覚を取り戻していました。
準決勝-お互いが願った対決の時(千葉市川ドリームスター戦)
リラックスムードで盛り上がるブルサンベンチの逆サイド・千葉市川ドリームスターのベンチ前では、長い時間円陣が組まれ、入念なミーティングが続いていました。2012年シーズンの初練習、まだまだ冷え込みが厳しい国立リハビリテーションセンターのグランドに、結成間もないドリームスターのメンバーが加わっていました。9人に足りず、ユニフォームもまだない。ただ、ドリームスターの選手達は、身体に障害を持っていても野球が出来るという喜びにあふれていたことをよく覚えています。所属チームの枠を超えて練習に混じり、初めての選手の練習を、経験のある選手がサポートする。ここからお互いが対戦できることを願って、それぞれのグランドで合同練習を積んで切磋琢磨し、時には交流親睦を深めながら高め合ってきた両チーム。3年の時を経て、いよいよ公式戦初対決の時を迎えました。ただ、そういった感傷がにじみ出る様子はなく、逆サイドに陣取るのは、共に全国を目指す関東甲信越のライバルチームの姿にほかなりませんでした。
ブルサン初回の攻撃は、相手守備の送球の乱れに乗じて3点こそ先制しましたが、強く意識し過ぎたのかフライアウトが目立ち、先攻を取りながらゲームのリズムを掴み切れない様子でした。ウラの守りでも出塁を許す状況を作られ、なかなか乗り切れない中、相手4番打者の打球は、浅く速い打球のフライがレフトへ。この打球にレフトの日暮が1歩目のダッシュから鋭く突っ込み、前進してランニングキャッチで捌き、ドリームスターの流れを切りました。身体障害者野球に取り組む同志が増えることを喜び、ドリームスターとの合同練習の際も率先してサポートにあたっていた日暮。ここは両チームへのお手本となるようなプレイを魅せました。ブルサンはこのプレイから流れとリズムを掴んだようで2回以降は得点を積み重ね、相手のヒット性の当たりもライト香野が見事に1塁で刺すなど攻守がかみ合い、記念すべきこのゲームに完封勝利することが出来ました。初の合同練習から初の公式戦対戦へ、今後はこの対戦がスタートとなって、また両チームの切磋琢磨が続いていくのです。お互いで力をつけて、関東甲信越連盟を盛り上げていきたいです。
決勝戦-緊迫の展開は宿命(群馬アトム戦)
例年の関東甲信越大会で、常に頂点を争っている群馬アトムと我がブルーサンダース。宿命づけられた緊迫の展開に相まみれました。初回から両軍ともスコアリングポジションに進めるも、三振で得点できず。アトム山井投手の好フィールディングもあれば、ブルサン宮本の横っ飛びキャッチもあり。随所に好プレイもありますがお互いがランナーを出せば牽制や攻防も激しくなるため、イニングの進行も遅くなります。後半に差し掛かりながらも「3回表」のブルサンが均衡を破りました。本塁併殺崩れの相手悪送球、残ったサードランナーを次打者日暮がしぶとくファーストゴロ。選手権決勝を再現し、ブルサンに根付いた、全員で1点をもぎ取る野球。しかしその次の攻撃では、アトムがセンターオーバーから好返球で今度は1点を阻止。1点を巡って、まさに好守でぶつかり合った両チームでしたが、2015シーズンの決着となったシーンは、アトム選手が放ったピッチャー返しの打球がセンターへ抜けた瞬間でした。新しい年、新たなシーズン。関東甲信越、そして全国で、しびれる場面を全力で楽しむためにブルーサンダースはレベルアップを図ります。
2016年も、東京ブルーサンダースへのご声援、よろしくお願いいたします。
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