旧コラム

第18回関東甲信越大会 結果報告

第18回関東甲信越大会が、9月22日 埼玉県・熊谷公園球場において、関東甲信越連盟加盟5チームが出場して実施されました。

 

7月の DREAM CUP決勝は、名古屋ビクトリーに1-2と競り負けました。その『わずか1点』を大切にする野球を林監督は強調し、チーム全員で1点を奪う攻撃・チーム全員で1点を守りきる守備をテーマに、夏から秋にかけて実戦を想定した練習に取り組み、練習試合を経験する中で成果を確認しました。DREAM CUPには出場できなかった“チームの支柱”大森、日暮も戦列に戻り、そして“新戦力”舘石も加わって、昨年の大会決勝戦の雪辱を期しながらも、明るいムード・表情で試合前のサブ球場での練習から始動しました。しかし、そこにキャプテン石垣がいない!?交通事故渋滞に遭っていたようですが、準備運動の輪に合流するなり、メンバー達は温かく「お疲れさん。もう今日はいいよ!」…表情を失う石垣。そうは言われても、主将も期するものはあるはずです。明るく元気に、メンバー揃ってのアップを完了して本球場へ。



ナイスボールの立役者!(小峰)

ナイスボールの立役者!(小峰)

 


初戦の準決勝、埼玉ウィーズ戦。昨シーズンの投手デビューから快投を続け、すっかりマウンドが“板についた”感もある「河井投手」が、捕手小峰のリードにも乗って緩急とコーナーワークを駆使し、初回ランナーを背負うも無失点に抑えて攻撃につなげました。運営役員として携わって下さった森コーチも河井の投球内容を試合後絶賛しておりました。障害者野球を通して、新たな野球力が引き出されることは素晴らしいことです。2回を1失点で試合を作り、この後の爆発を予感させる大沼のレフトへのタイムリーで先制して、その大沼の高く腕を突き上げたガッツポーズに乗って試合をリードしました。そして3回、舘石投手の初登板です。



一生モノのピッチング(舘石)

一生モノのピッチング(舘石)

 


左腕から繰り出す速球。この野球との出会いを通して再びマウンドに登ることになった舘石、笑顔が溢れます。シャープな振りの埼玉打線の反撃に遭っても笑顔、そして味方ベンチの「タテ、楽に思い切っていこう!」「タテ、打たれちゃえ!!」といった声にもまた笑顔…初登板の緊張を心配するベンチの空気も、いつの間にかどっかへ行ってしまったようで、1回を颯爽と投げ切り、コールド勝利への勢いとなりました。



1点もやらねぇ!(宮本)

1点もやらねぇ!(宮本)

 


関東地区のライバル・群馬アトムと、今シーズンも宿命の決勝戦。監督として初めてこの舞台に臨む林監督からは「短い100分で出し切ろう!」との指示があり、石垣主将からの「このチームワークに自信を持とう!」とのメッセージをベンチ全員で共有しました。しかし、フレッシュなブルサンに洗礼を浴びせるかのように、今回は群馬の2番に座った主砲・細井選手がセンター舘石の頭上へ先制2ランを浴びせます。3回も4点を失って6点差。劣勢の中でも、“決勝戦デビュー”でもある舘石はセンター前への当たりをダイビングキャッチして、前に後ろに走り回って奮闘します。



ボールひとつに…(左財原、石垣)

ボールひとつに…(左財原、右石垣)

 


「まず1点 1点取ればいける うちにはムードがある」

キャプテンの言葉をベンチ全員で言い聞かせて挑んだ4回の攻撃。先頭大沼の四球出塁を足掛かりに、チームが取り組んできたことを思い出したかのような反撃開始。四球を選び、舘石や高橋がランナーを進塁させる当たりでつなぎ、ランナーは一つ先の塁を狙い、綺麗な形ではなかったのですが1点ずつ積み重ねました。この試合に向けて戦列に復帰した大森も、代打でチームに手本を示すかのようなセンター返しのヒット。個々の選手が色んな思いをプレーで表現し大きなうねりとなったこの回の攻撃。そして「10人目の打者」2打席目の大沼が、群馬のエース・山井投手を強襲する同点タイムリーヒット!泥臭く1点ずつ積み重ね、遂にこの回6点奪ってイッキに同点に追い付きました。感動・喜び・涙・そして追撃態勢、ベンチから発する様々な感情に乗った、今季の練習、取り組みの成果を体現する攻撃でした。



ベンチからの“女子力”にも乗って反撃開始!

ベンチからの“女子力”にも乗って反撃開始!

 


最終回いくよっ みんなヨロシク(田中)

最終回いくよっ みんなヨロシク(田中)

 


しかし、その裏を守りきることが出来ず、サヨナラの得点を与えてしまいました。試合の全体を通して、もう1点奪える場面があった。失点をもう1点は防げる場面があった。そのトータルの結果として、今大会も1点差での敗戦となってしまいました。その『わずか1点』を追求・克服するための来季に向けた長い戦いが、また始まるのです。

 

ご支援ご声援頂いた方々に厚く御礼申し上げると共に、大会の運営・広報にご尽力頂いた、埼玉ウィーズ以下運営スタッフの皆さん、熊谷市関係者の方々及び大会共催各社の皆さんに、深く感謝いたします。

記:山形重人



絶対忘れないこの涙 来季へ

絶対忘れないこの涙 来季へ

 


試合結果成績 2012年9月22日

準決勝 ○ 13-3 埼玉ウィーズ

決勝戦 ●  6-7  群馬アトム